ゆうぐれの阿蘇を駆け上がると

早春の黒い米塚が待っていた

1,200キロ走り続けた、ある早春の土曜日

ゆうぐれの阿蘇パノラマラインを駆け上がっていた

耳を痛くする冷たい空気

空は限りなく澄みきっていた

小さな形の良いスコリア丘

米塚と呼ばれている阿蘇のシンボル

早春の山焼きで真っ黒焦げになっていた

標高950m、気温は0度

春を呼ぶために焼かれた米塚と外輪山
疲れきったボクは

パノラマラインから、ただこの風景を眺めていた

寒さなのか、クルマの振動が残っているのか
体が小刻みに震えていた


熊本県阿蘇市 阿蘇パノラマラインにて
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